創業者ストーリー

「Recursion」代表の田島です。

私たちがどのようにして日本のコンピュータサイエンス教育の課題を解決するために「Recursion」を立ち上げるに至ったのか、ローンチまでの経緯をご紹介します。

大手メーカーでのサラリーマン経験〜アメリカへの挑戦の決断

スーツケース片手に、米ロサンゼルスへ渡米

新卒で私は、東京で大手メーカーに就職をしました。入って2-3ヶ月後にすぐ、スキルを持たない人材になってしまうことへの焦りを感じ、英語の勉強を始めました。更に「アメリカで経験を積もう」という安易な考えから、親や友人に反対されながらも、たった7-8ヶ月で入社した会社を辞め、アメリカに渡る決心をしました。

アメリカでのプログラミング学習の壁

アメリカに渡った私にとっては英語が話せることが唯一の武器でしたが、カリフォルニア州での激しい競争の中で、特化したスキルを持たない外国人には需要がないことをすぐに痛感しました。これがきっかけで、大学時代に少しだけ触れていた、プログラミングの勉強を再開しました。

オンラインでプログラミングを学び始めたものの、日本語のサービスでは、学習後にすぐ忘れてしまっており、身になっていない感覚でした。英語のサービスについても理解も難しく、自分に合った学習方法を見つけることができませんでした。

転機 共同創業者 Jeffryとの出会い

ハリウッドで一緒に働く

行き詰まりを感じていたとき、「Recursion」の共同創業者であるJeffryと出会いました。この出会いは私の人生の大きな分岐点であり、これが後の「Recursion」創設へとつながる重要な瞬間となりました。

Jeffryはアニメが好きで日本語を勉強しており、私たちの関係はすぐに親密なものになりました。彼は「コンピュータサイエンス」という学問に中学生の頃から触れており、それがプログラミング学習に必要なものであると教えてくれました。

「日本×コンピュータサイエンス教育」の必要性の気づき

コンピュータサイエンスがソフトウェア開発に不可欠であることは理解しましたが、日本ではアメリカのソフトウェアエンジニアにアクセスすることが難しいという問題がありました。

一方で、日本人の持つ数学力の高さに気づき、更にそれはコンピュータサイエンスの学習に大きなアドバンテージをもたらすことを知りました。

そこで私たちは、日本語でコンピュータサイエンスの学習ができるプラットフォームを作ることを決めました。

学習プラットフォームのコンテンツの検討

Recursion最初のプロトタイプ

ユーザが皆で楽しくコンピュータサイエンスの勉強ができて、かつエンジニアとしての即戦力スキルを身につけられる環境にしたく、学習プラットフォームは、講義形式ではなくユーザーが繰り返しアウトプットすることで、プログラミング力を身につけることができるような形式にする方針で検討していきました。

Jeffryが必要だと思うソフトウェアエンジニアリングの知識と、私がユーザーとして使いたいと思うUI/UXを組み合わせて1つ1つ検討を重ねて作っていきました。

Recursionのローンチと展望

左:Alvarado Jeffry、右:田島慎也

そして2020年8月、コンピュータサイエンスのオンライン学習プラットフォーム「Recursion」が正式にローンチしました。

「Recursion」とは、プログラミングにおいて「再帰」「繰り返す」という意味を持ちます。プログラミング学習者が、アウトプットを繰り返すことで高い定着力を実現し、プログラミングの力を身につけることができるよう、様々な取り組みを行うことを目的としています。

Recursionは、日本のコンピュータサイエンス教育が次のレベルへと進むための架け橋となることを目指し、日々新しいコンテンツの展開と改善に努めています。