CHAPTER 01
大手メーカーでの会社員経験と、アメリカへの挑戦
新卒で、東京の大手メーカーに就職しました。働き始めて間もなく、もっと広い世界で自分の力を試してみたいと思うようになり、英語の勉強を始めました。
その気持ちは次第に強くなり、親や友人に反対されながらも、入社から7〜8ヶ月で会社を辞めてアメリカに渡りました。
CHAPTER 02
アメリカでのプログラミング学習の壁
渡米した私にとって、英語が話せることは唯一の武器でした。しかしカリフォルニアの激しい競争の中では、特化したスキルを持たない外国人には需要がないことを、すぐに痛感しました。そこで、大学時代に少しだけ触れていたプログラミングの勉強を再開しました。
オンラインで学び始めたものの、日本語のサービスでは学んだ内容をすぐに忘れてしまい、身に付いている感覚がありませんでした。英語のサービスは内容を理解すること自体が難しく、自分に合った学習方法を見つけられずにいました。
CHAPTER 03
共同創業者Jeffryとの出会い
行き詰まりを感じていた頃、後にRecursionを一緒に立ち上げるJeffryと出会いました。この出会いが、私の人生の大きな分岐点になりました。
Jeffryはアニメが好きで日本語を勉強していたこともあり、私たちはすぐに親しくなりました。彼は中学生の頃からコンピュータサイエンスに触れていて、プログラミングを学ぶにはコンピュータサイエンスが必要だと教えてくれました。
CHAPTER 04
日本にコンピュータサイエンス教育を届けたい
コンピュータサイエンスがソフトウェア開発に欠かせないことは分かりました。ただ、日本にいながらアメリカのソフトウェアエンジニアから学ぶのは難しいという問題がありました。
一方で、日本人は数学力が高く、それがコンピュータサイエンスを学ぶうえで大きな強みになることにも気付きました。
そこで私たちは、日本語でコンピュータサイエンスを学べるプラットフォームを作ることにしました。
CHAPTER 05
学習プラットフォームの形を考える
目指したのは、皆で楽しくコンピュータサイエンスを学びながら、エンジニアとして即戦力になるスキルを身に付けられる環境です。そのため講義を聞く形式ではなく、ユーザーが繰り返しアウトプットしながらプログラミング力を身に付ける形式にしました。
中身は、Jeffryが必要だと考えるソフトウェアエンジニアリングの知識と、私がユーザーとして使いたいと思うUI/UXを組み合わせ、1つずつ検討しながら作っていきました。
CHAPTER 06
Recursionのローンチ
2020年8月、コンピュータサイエンスのオンライン学習プラットフォーム「Recursion」を正式にローンチしました。
ローンチにあたって大事にしたのは、検討の段階で決めた方針をそのまま形にすることでした。解説を読むだけで終わらず、学んだらすぐに問題を解き、自分の手でコードを書く。その繰り返しで、知識を確かな力に変えていく作りにしています。
内容も、アメリカの大学でコンピュータサイエンスを学ぶ順番を参考にしながら、日本語で無理なく進められるように組み立てました。Jeffryが積み上げてきた知識を、日本の学習者に届けられる形にすることが、私たちの最初の目標でした。
学習者がアウトプットを繰り返すことで、学んだことをしっかり定着させられるように、という思いを込めて名付けました。
CHAPTER 07
AI時代に合わせて、カリキュラムを作り直す
ローンチから数年が経ち、AIがコードを書くことは当たり前になりました。コードを速く書けること自体は、もう大きな強みではなくなりつつあります。
それでも、AIが書いたコードが正しいか、システム全体として適切かを判断するのは人間です。その判断を支えるのがコンピュータサイエンスの基礎だと、私たちは考えています。
そこで私たちは、カリキュラムを大きく見直しました。基礎のコースは、AIに頼らず自分の手で書きながら理解する内容に作り直しました。その上で、AIを使って開発する方法を学ぶコースを加え、複数人で1つのコードベースを育てるチーム開発にも力を入れています。
目指しているのは、AIを使いこなし、速く、安く、そして高品質なソフトウェアを作れるエンジニアを育てることです。
これからも、日本のコンピュータサイエンス教育が次のレベルへ進むための架け橋となれるよう、新しいコンテンツの追加と改善を続けていきます。